コーンスネーク(英名:Common kingsnake/学名:Pantherophis guttatus)は、つぶらな瞳と美しい模様を特徴として持つヘビです。米国やメキシコの一部に生息し、多様な環境に適応しています。性格が温和でペットとして非常に人気があります。

この記事は以下のような人におすすめ
・「コーンスネークを初めて飼育しようと考えている爬虫類初心者の人」
・「爬虫類ペットに興味があり、比較的飼育しやすいヘビを探している人」
・「爬虫類の飼育経験はあるが、コーンスネークについて専門的な知識を得たい人」
コーンスネークとは?

コーンスネーク(学名:Pantherophis guttatus)は、北米原産のヘビ科ナメラ亜科に属する非毒蛇です。
名前の由来
コーンスネークの名前の由来は、以下の二つから命名されたと言われています。
- トウモロコシ畑でよく見かけられること
- 腹部の模様がトウモロコシの粒に似ていること
コーンスネークの魅力

コーンスネークは、美しい外見と穏やかな性格から、爬虫類ペットとして世界中で人気を集めています。成体の大きさは通常120cm~150cm程で、寿命は適切な飼育環境下で15年から20年ほどです。
コーンスネークの特徴的な外見は、その鮮やかな赤橙色の地に黒い縁取りのある赤茶色の斑点模様です。長年の品種改良により、現在では様々な色彩やパターンのモルフ(遺伝的変異体)が存在します。例えば、アメラニスティック(黒色素欠乏)、アルビノ(色素欠乏)、スノー(アメラニスティックとアルビノの組み合わせ)などがあります。
これらの多様な外見と、比較的小さな体サイズ、温和な性格、そして比較的簡単な飼育要件が、コーンスネークを爬虫類初心者にとって人気の理由の1つとなっています。
コーンスネークの分布や生態
コーンスネークの分布や生態についての特徴は以下の通り
分布
コーンスネークの自然分布は、主に北米東部から中部にかけての地域です。具体的には、以下の地域が主な生息地となっています
- アメリカ合衆国東部 ニュージャージー州南部からフロリダ州
- アメリカ合衆国中部 ルイジアナ州からケンタッキー州南部
- メキシコ北東部の一部

生息環境/習性
生息環境
コーンスネークは適応力が高く、多様な環境で生息しています。主な生息地は、以下のような環境です。
習性
コーンスネークの習性や生態については、以下の通りです。
- 行動:主に夜行性ですが、朝夕や涼しい日中にも活動することがあります。冬季は冬眠しますが、温暖な地域では活動期間が長くなります。
- 食性:主に地上で活動しますが、木登りも得意で、鳥の巣を襲うこともあります。獲物を見つけると、素早く体を巻き付けて絞殺します。
- 繁殖:春から初夏にかけて交尾期を迎えます。通常5〜30個の卵を産み、約2ヶ月で孵化します。
- 寿命:野生下では10〜15年程度ですが、適切な飼育下では20年以上生きる個体も珍しくありません。
身体的特徴(サイズ/体重)
- 最大全長:120cm~150cm
- 体重:900g
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コーンスネークの飼育難易度は?
コーンスネークの飼育難易度は星1~2です。
「★☆☆☆☆」~「★★☆☆☆」
理由と評価
- 温和な性格:コーンスネークは一般的に穏やかで、扱いやすい性格をしています。適切に飼育され、定期的に人間との接触に慣れさせれば、ほとんど噛むことはありません。
- 適度なサイズ:最大でも2メートル程度にしか成長しないため、大型のヘビ種と比べて飼育スペースの確保が容易です。
- 食事の簡便さ:主にマウスやラットを食べるため、餌の確保と給餌が比較的簡単です。また、成体は1〜2週間に1回の給餌で十分なため、毎日の餌やりの必要がありません。忙しい人にもおすすめできる種です。
- 病気への耐性:適切な環境下で飼育されれば、比較的健康で病気になりにくい種です。
以下はコーンスネークの飼育における注意点です。
コーンスネークは優れた脱出術師です。しっかりと開口部が閉まる爬虫類ケージを使用しましょう。細身な体に見合わないパワーがあり、脱走の報告が多数寄せられています。
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コーンスネークの品種(モルフ)の一例紹介
コーンスネークは、長年の人工下での繁殖により、多様な色彩やパターンのモルフ(遺伝的変異体)が作出されています。以下に、人気のあるモルフの一例を紹介します。
ノーマル (normal)

野生型の色彩パターンを持つ最も一般的なモルフです。赤や橙色の地色に、黒縁取りの赤褐色の斑点模様が特徴です。
アメラニスティック (Amelanistic)

黒色素が欠如したモルフで、赤やオレンジの鮮やかな色彩が特徴です。目は赤色を呈します。
アルビノ (Albino)

すべての色素が欠如したモルフで、白色や黄色の体に赤い目を持ちます。
スノー (Snow)

アメラニスティックとアルビノの特徴を併せ持つモルフです。純白の体に赤い目を持ちます。
キャラメル (Caramel)
褐色や黄褐色の地色に、より薄い斑点模様を持つモルフです。独特の温かみのある色彩が特徴です。
ラベンダー (Lavender)
淡い紫がかった灰色の地色に、より濃い斑点模様を持つモルフです。独特の柔らかな色彩が人気です。
ゴースト (Ghost)

全体的に淡い、霞がかったような模様を持つモルフです。通常のコーンスネークの赤や橙色の代わりに、灰色がかった淡い色調が特徴です。
ストライプ (Stripe)
背中に連続した縦縞模様を持つモルフです。モトリーよりも縞模様がはっきりとしています。
テサラ (Tessera)
通常の斑点模様が網目状に変化したモルフです。複雑で美しい模様が特徴です。
サンキスト (Sunkissed)
鮮やかなオレンジや赤色の地色に、独特のパターンを持つモルフです。頭部の模様が特徴的です。
これらのモルフは、それぞれ単独で、あるいは他のモルフと組み合わせて存在することがあります。例えば、「アメラニスティック・モトリー」や「ラベンダー・ストライプ」などの複合モルフも存在します。
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おすすめの購入場所
私が初心者の方におすすめする購入場所は、ペットショップです。
爬虫類イベントでは低価格でレアなモルフが購入できることがありますが、初心者向きではありません。
理由は以下の通りです。
- イベントでは排便の関係などから数日餌が抜かれていることがあり、餌食いや排便の状態がわからない
- 展示スペースが限られているため、1匹の生体をゆっくり見ることができない
- 販売している店によっては、輸入直後にイベントに持ってきており、過度なストレスが生体にかかっている可能性がある
個人的には、店で1時間程度1匹の生体を確認して、問題がなさそうであれば購入検討する形にしたほうが私は良いと思います。
爬虫類飼育に慣れて目が肥えてきましたら、イベントでお得な価格で多数のブリーダーやショップから購入する流れがおすすめです!
購入時に注意してみる点
購入する際は以下を注視して生体を選ぶことをおすすめします。
健康状態の確認
目や鼻に分泌物がなく、皮膚に異常がないことを確認します。目や鼻など分泌液が出ている場合には、何かしらの病気や感染病になっている可能性があります。
サイズの確認
初心者の場合、生後6ヶ月〜1年程度の個体から始めるのが良いでしょう。あまり若く小さい個体を購入すると、体調を壊してしまい立ち上げに失敗すると亡くなってしまう可能性もあります。
おすすめの飼育環境

以下おすすめの飼育環境となります。
飼育用品
以下のような飼育用品があれば飼育できます。
- ケージ(横60cm×奥行45cm×高さ30cm程度)
- ペットシーツ or 床材
- シートヒータ
- 温度計・湿度計
- 水入れ(トグロを巻いて全身が付かれるサイズ)
- ヒーティングトップ(冬のみ)
温度(目安)
温度の目安は以下の通りです。
時間帯 | 温度 |
---|---|
日中 | 22~28℃ |
夜間 | 18~21℃ |
湿度(目安)
湿度の目安は以下の通りです。
時間帯 | 湿度 |
---|---|
日中/夜間 | 40~60% |
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おすすめの餌
コーンスネークにおすすめの餌は以下です。
マウス(ピンキー、ファジー、アダルト)
コーンスネークのサイズによって与えるサイズが異なりますので、見極めて与えましょう。
コーンスネークは他の爬虫類のようにコオロギや野菜は食べません。そのためマウスだけで飼育ができます。
もちろんマウスを飼育するようなことは難しいので、冷凍マウスを購入しましょう。
給餌の頻度は以下を目安にしてください。
サイズ | 給餌頻度 |
---|---|
幼体/ベビー(1歳未満) | 5-7日に1回 |
亜成体(1-2歳) | 7-10日に1回 |
成体/アダルト(2歳以上) | 10-14日に1回 |
冷凍マウスの購入方法、与え方について、以下に纏めています。
https://exotic-reptile.com/1013/まとめ
今回は爬虫類初心者に人気のコーンスネークについてまとめました。
つぶらな瞳と美しい模様が特徴的なヘビです。初心者でも飼いやすく飼育すればきっとコーンスネークの可愛さに魅了されることでしょう!
ヘビは給餌の回数も少ないため、忙しい方にもおすすめの爬虫類です。
興味があるかたは是非色々調べてみてください!