アオジタトカゲ(英名:Blue-tongued Skink/学名:Tiliqua)は、ユニークな特徴を持つトカゲで、その名の通り鮮やかな青い舌が特徴です。オーストラリア、インドネシア、パプアニューギニアに生息し、多様な環境に適応しています。性格が温和で、人懐っこいため、ペットとして非常に人気があります。

この記事は以下のような人におすすめ
・「爬虫類を飼ってみたいけど、それほど難易度が高くない種類がいいと思っている人」
・「ハンドリングしやすい爬虫類を飼育したい人」
・「アオジタを飼ってみたいけど、飼育に必要なものがわからない人」
アオジタトカゲとは?
アオジタトカゲは、オーストラリア原産の美しいトカゲです。その名の通り、鮮やかな青い舌を持ち、愛らしい姿から人気の高い中型爬虫類です。飼育難易度も比較的低いため、初心者でも挑戦しやすい種類と言えるでしょう。
舌が青いのは独特な特徴ですよね!

今こそ中型爬虫類の部類でのトカゲの定番といえば、フトアゴヒゲトカゲとなっていますが、一時期はアオジタトカゲがメジャーペットとなり、覇権を握っている時期もありました。
アオジタトカゲの分布や生態についての特徴は以下の通り
- 分布: インドネシアやパプアニューギニア、オーストラリア(北部/東部/南部/中央部)に生息

- 生態:
- 環境: 草原、森林、岩場など様々な環境に生息
- 行動: 昼行性
- 食性: 雑食性で、昆虫、小型の爬虫類、両生類、果物、野菜などを食べる
- 寿命: 10年~15年
- 身体:
- 最大全長: 30cm~60cm
- 体重: 600g
- 特徴:
- 人に馴れやすく、ハンドリングしやすい
- 大人しい性格で、ペットとして人気が高い
- 日中はバスキングライトを使用し、体を温めるバスキングスポットを作る
アオジタトカゲがツチノコ説?

ツチノコがアオジタトカゲだったという説があるのがご存じでしょうか。

アオジタトカゲは手足が体のサイズと比較すると少しいびつです。胴長で赤ちゃんのように手足がちょこんとでているため、逃げ出したアオジタトカゲが、草むらで見つかり、「手と足のないひょうたん型のトカゲがいる!」ということでツチノコ伝説が始まったともいわれています。
否定派も多いですが、私はこの説が有力だと思っています笑
アオジタトカゲの飼育難易度は?
アオジタトカゲの飼育難易度は星3です。
「★★★☆☆」
アオジタトカゲは比較的飼育が容易なトカゲとして知られています。広いケージ、適切な温度と湿度、バランスの取れた食事を必要とします。また紫外線も必要という説もあり、紫外線の強いオーストラリアなどが生息地となっていることから、私も賛同派です。
以下に主要なポイントをまとめます。
- 人工フードだけでも育てることが可能
- マウス、昆虫、野菜や果物など雑食で食べれるものが多い
- 大人しく丈夫で飼育しやすい
- 人慣れしやすくハンドリングができる
- 幼体の個体は誤飲(新聞紙や床材など)して死んでしまうケースがある
- 昼行性のためバスキングライトや紫外線ライト、大型ケージなど準備するものが多く、場所も取る→準備するアイテムの詳細はこのあと出てきますので、ご安心ください!
- 温度が低い場合や野菜を食べさせている比率が高いと、下痢気味や便器気味になることがあり、排便処理が少し大変。レオパなどと比べると臭い。。。
上記の理由から初心者向けの個体ではあるものの、飼育用品の準備にハードルがあるここと幼体の立ち上げに気を遣うということがあり、飼育難易度は★3とさせていただきました。
アダルトで購入すると、基本的には個体として難易度はそれほど高くないと思いますので、レオパやフトアゴなどと変わらないです。
アオジタトカゲの品種(モルフ)の一例紹介
アオジタトカゲにはいくつかの品種(モルフ)があります。以下に代表的なモルフを紹介します。
- クラシック(Classic):自然界に見られる基本的な模様と色合いです。茶色やオリーブ色の鱗と黒い縞模様が特徴です。
- ハイポ(Hypo):色素が少なく、明るい色合いを持つ品種です。淡い黄色やオレンジの体色が特徴です。
- キャラメル(Caramel):キャラメル色の体色を持ち、非常に美しい外観です。
- アルビノ(Albino):メラニンが欠如しており、赤い目と黄色や白い体色が特徴です。
アオジタはインドネシアやオーストラリアごとに別の名称がついており、複数の種類が存在します。
インドネシア系
オオアオジタトカゲ(アンボンアオジタトカゲ/ハルマヘラアオジタトカゲとも呼ばれる)
- 分布: ニューギニア島(インドネシア)
- サイズ: 全長約45-60cm
- 色合い: 青い舌と、体は灰色から褐色の地に黒や白の斑点がある。四肢は黒い。
- 特徴:頑丈な体と青い舌が特徴。雑食性で果物や野菜、小動物を食べる。

ケイアオジタトカゲ
- 分布: ケイ諸島(インドネシア)
- サイズ: 全長約30-45cm
- 色合い: 鮮やかな青や黄色の縞模様が特徴で、鱗は滑らかで光沢がある。
- 特徴: 小型で、鮮やかな色彩と滑らかな鱗が特徴。活発で飼育しやすい。
メラウケアオジタトカゲ
- 分布: ニューギニア島メラウケ地区(インドネシア)
- サイズ: 全長約40-50cm
- 色合い: 淡い灰色や褐色の体色で、時に黄色の斑点がある。
- 特徴:
キメラアオジタトカゲ
- 分布: インドネシア
- サイズ: 全長約30-40cm
- 色合い: 赤や黄色、茶色など多様な色彩と、不規則な斑点が特徴。
- 特徴: 色彩が多様で、模様に個体差が大きい。雑食性で飼育が容易。

イリアンジャヤアオジタトカゲ
- 分布: ニューギニア島イリアンジャヤ地区 (インドネシア)
- サイズ: 全長約25-40cm
- 色合い: 褐色や灰色の地に、黒や白の不規則な縞模様がある。
- 特徴: 中型で、独特の模様が特徴。適度な湿度を好む。
オーストラリア系
キタアオジタトカゲ
- 分布: オーストラリア北部
- サイズ: 全長約40-50cm
- 色合い: 鮮やかな茶色やオレンジ色の地に、黒や白の斑点や縞模様がある。
- 特徴: 大型で頑丈な体と鮮やかな模様が特徴。おとなしくて飼いやすい。

ニシアオジタトカゲ
- 分布: オーストラリア西部
- サイズ: 全長約30-40cm
- 色合い: 褐色やオレンジ色の地に、黒や白の縞模様がある。
- 特徴: 茶色とオレンジの模様が特徴。乾燥した環境を好む。

ヒガシアオジタトカゲ
- 分布: オーストラリア東部
- サイズ: 全長約30-40cm
- 色合い: 褐色やオレンジ色の地に、青や白の縞模様がある。
- 特徴: 青い舌と鮮やかな縞模様が特徴。雑食性で飼育が容易。

チュウオウアオジタトカゲ
- 分布: オーストラリア中央部
- サイズ: 全長約30-40cm
- 色合い: 灰色や褐色の地に、黒や白の縞模様がある。
- 特徴: 丸みを帯びた体と縞模様が特徴。乾燥した環境に適応。

マダラアオジタトカゲ
- 分布: オーストラリア南部
- サイズ: 全長約30-40cm
- 色合い: 黒と黄色の斑点模様が特徴で、全体的には淡い茶色の地色を持つ。
- 特徴: 黒と黄の斑点模様が特徴。涼しい気候を好む。
おすすめの購入場所
私が初心者の方におすすめする購入場所は、ペットショップです。
爬虫類イベントでは低価格でレアなモルフが購入できることがありますが、初心者向きではありません。
理由は以下の通りです。
- イベントでは排便の関係などから数日餌が抜かれていることがあり、餌食いや排便の状態がわからない
- 展示スペースが限られているため、1匹の生体をゆっくり見ることができない
- 販売している店によっては、輸入直後にイベントに持ってきており、過度なストレスが生体にかかっている可能性がある
個人的には、店で1時間程度1匹の生体を確認して、問題がなさそうであれば購入検討する形にしたほうが私は良いと思います。
購入時に注意してみる点/おすすめのモルフ
購入する際は以下を注視して生体を選ぶことを強く勧めます。
同じケージ/ショーケース内で展示されている個体から大きい個体を選ぼう
アオジタは幼体は、ペットショップやイベントの場合には、1つの大きなケージに入れられていることが多いです。同じハッチ(生まれたタイミングが同じ)なことが多いです。そのため、その中でも体の大きい個体を選ぶことで、餌食いのよい健康的な個体を選ぶことができる可能性が高いです。
不安がある場合には、なるべく大きい個体を選びましょう。
おすすめの飼育環境
以下おすすめの飼育環境となります。

飼育用品
- ケージ(横90cm×奥行45cm×高さ45cm)
- ペットシーツ
- シートヒータ
- 温度計・湿度計
- 紫外線ライト
- バスキングライト
- 流木
- バスキングストーン
時間帯 | 温度 |
日中 | 28~35℃ |
夜間 | 20~24℃ |
時間帯 | 湿度 |
日中/夜間 | 40~60% |
おすすめのフトアゴ用アイテムをまとめた記事です。アオジタトカゲもこれさえ押さえておけば大丈夫です。
https://exotic-reptile.com/353/アオジタトカゲにおすすめのケージについて、以下に纏めています!定番中の定番を纏めています!
https://exotic-reptile.com/569/おすすめの餌
おすすめの餌は以下です。
- 小松菜
- チンゲンサイ
- サニーレタス
- 人工フード
- 冷凍餌(コオロギ) ※1
※1:コオロギやディビュアなど餌はカロリーが高いため、幼体のうちは問題ありません。しかしケージの中で動き回ることのないアダルト個体には、肥満の原因になります。1か月に2回程度おやつとして与えましょう。
与えすぎはよくありませんが、果物やピンクマウスなども餌として与えることができます。
- バナナ
- マンゴー
- いちご
- ピンクマウス
- たまご(ゆで卵、生卵)
アオジタに給餌できる野菜について、以下の記事に纏めています。
https://exotic-reptile.com/767/冷凍コオロギのおすすめも近々紹介させていただきます。
まとめ
今回は爬虫類初心者に人気のアオジタトカゲについてまとめてみました。
中型爬虫類では、フトアゴが一強の風潮がありますが、一時期ブームになったアオジタ人気もまだまだ健在です。
アオジタは爬虫類界の犬といわれるくらいされるがままの爬虫類で愛嬌のある姿をしています。
設備投資に少し予算は必要ですが、昼行性のため人が生活している時間帯に、日中帯にかわいいクリクリの目と、チャームポイントの青い舌顔を見せてくれることでしょう。
興味があるかたは是非色々調べてみてください!