フトアゴヒゲトカゲが行うコミュニケーションの「ボビング」と「アームウェビング」という単語を聞いたことはありますか?
本記事では、これらの行動について詳しく解説し、その意味や背景、飼育者としての対応方法などを紹介します。

この記事は以下のような人におすすめ
・「フトアゴヒゲトカゲの生態をより深く知りたい人」
・「飼育しているフトアゴヒゲトカゲがアームウェビングとボビングをしだして、気になっている人」
・「どういう意図でアームウェビングとボビングをしているのか知りたい人」
フトアゴヒゲトカゲのアームウェビングとボビングとは・・・?
フトアゴヒゲトカゲ(学名: Pogona vitticeps)は、オーストラリア原産の人気のあるペットトカゲで、つぶらな瞳や、口を開けてぼーっとする間抜け顔や、独特の行動であるコミュニケーション方法が飼育者にとって魅力の一つです。
爬虫類は意思疎通能力のない生き物と思われがちですが、実は違います。むしろ独特な方法でコミュニケーションを取り、周囲と情報を共有しています。その中でも代表的な行動が、「アームウェビング(Arm Waving)」と「ボビング(Bobbing)」です。
アームウェビング(Arm Waving)とは?

アームウェビングは、フトアゴヒゲトカゲが前脚をゆっくりと持ち上げて振る動作です。この行動は、主に以下の状況で観察されます。
- 挨拶と服従のサイン: アームウェビングは、他のトカゲや飼育者に対する挨拶や服従のサインとして行われます。特に若いトカゲやメスがこの行動を示すことが多く、攻撃性の少ない個体であることを示しています。これは、トカゲ同士の対立を避けるための行動と考えられています。
- 環境の変化に対する反応: 新しい環境に移された時や、見慣れない物体が現れた時に、アームウェビングを行うことがあります。これは、不安やストレスを感じた時の防御的な行動とも解釈されます。
- 求愛、威嚇、興奮のサイン:オスがメスに対して求愛行動として行う際、敵に対して威嚇する際に、前肢を大きく広げてアームウェビングを行うことがあります。また何か興奮している時にも、アームウェビングを行うことがあります。
このようにアームウェビングを使って様々なコミュニケーションをとります。
私飼育しているメスのフトアゴは、ケージ内の流木に捕まっているときに背中を撫でるとほぼ100%の確率でアームウェビングをします。
ボビング(Bobbing)とは?

ボビングは、フトアゴヒゲトカゲが頭を上下に振る動作です。この行動もまた、さまざまな状況で見られ、その意味は状況によって異なります。
- 支配と威嚇のサイン: 特にオスのフトアゴヒゲトカゲが、この行動を他のオスや侵入者に対して行うことが多いです。頭を上下に激しく振ることで、自分の存在をアピールし、他の個体を威嚇します。これは、縄張り意識や繁殖行動に関連しています。
- 繁殖行動: 繁殖期になると、オスはメスに対してボビングを行い、交尾の意思を示します。この行動は、求愛の一環であり、メスの注意を引きつけるためのものです。
ボビングはどちらかというとオスが行うことが多く、繁殖期を除くと攻撃的な状態(イライラ状態)をアピールしてコミュニケーションをとります。
アームウェビングとボビングの組み合わせ
アームウェビングとボビングは、単独で行われることもありますが、組み合わせて行われることもあります。
例えば、若いオスが他のオスに対してアームウェビングを行い、その後にボビングを行うことで、自分の存在を示しつつ、攻撃を避けようとする場合があります。また、メスがオスに対してアームウェビングを行い、受け入れのサインとしてボビングを返すこともあります。
我が家のメスのフトアゴヒゲトカゲは、1歳程度までは背中を撫でるとアームウェビングをしてイヤイヤアピールをしていましたが、1歳を越えた時期からボビングも併せて行うようになりました。
もしかするとアームウェビングだけだと触るのをやめてもらえないため、ボビングも組み合わせて強くアピールしているのかもしれませんね(笑)
飼育者としての対応方法
これらの行動を理解することで、飼育者はフトアゴヒゲトカゲの気持ちや状態をよりよく把握することができます。以下に、飼育者としての対応方法をいくつか紹介します。
- ストレスの軽減: アームウェビングやボビングが頻繁に見られる場合、フトアゴヒゲトカゲがストレスを感じている可能性があります。環境の見直しや、過度な接触を避けることで、フトアゴヒゲトカゲのストレスを軽減することができます。
- 繁殖期の行動管理: 繁殖期には、オス同士の争いが激しくなることがあります。この時期は、オスを分けて飼育するか、十分なスペースを確保することで、ケガなどのトラブルを防ぐことができます。
- 健康チェック: アームウェビングやボビングの頻度や強度が変わった場合、健康状態に問題がある可能性があります。定期的な健康チェックや、異常が見られた場合は専門の獣医に相談することが重要です。
爬虫類用の動物病院の探し方について、過去に記事に纏めていますので、以下を参照してください!
https://exotic-reptile.com/253/まとめ
いかがでしたか。

トカゲがコミュニケーションをとるの!?
と驚いた人もいると思います。私も飼育して3か月くらいの時に、腕を回し始めたときに驚きました。
フトアゴヒゲトカゲのアームウェビングとボビングは、社会的な振る舞いを理解するための重要な手がかりです。
これらの行動をよく観察することで、フトアゴヒゲトカゲの気持ちや状態をより深く理解し、飼育者側もコミュニケーション方法を見直すことができます。
フトアゴヒゲトカゲとのコミュニケーション方法を見極めて、よりフトアゴヒゲトカゲとの絆を深め、大好きな爬虫類と長く健康的に共同生活を送りましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。