爬虫類を飼育する上で、適切な保温は非常に重要です。
爬虫類は変温動物であり、体温を一定に保つために外部の熱源に依存しています。適切な保温は、爬虫類の健康、代謝、消化、免疫機能など、生理的プロセスのほぼすべてに影響を与えます。
この記事では、爬虫類の保温対策について、特に「ヒーティングトップ」、「ダントツ」、「保温球」に焦点を当てて詳しく解説します。

この記事は以下のような人におすすめ
・「爬虫類飼育の初心者の人」
・「保温器具で迷っている人」
・「飼育方法、保温方法を見直したい人」
爬虫類の保温の重要性

爬虫類は変温動物であり、体温を自力で調節することができません。そのため、適切な環境温度を提供することが飼育者の重要な役割となります。適切な温度は、以下の理由から爬虫類の健康に不可欠です。
爬虫類の飼育環境の温度を保つことの大切な理由は以下の通りです。
適切な保温を行うことで、これらの生理的プロセスを正常に保ち、爬虫類のストレスを軽減し、健康的な生活を支援することができます。
どうやって保温する?保温方法3選!
代表的な保温器具は以下の3つです!
- GEX社の「ヒーティングトップ」
- レップジャパン社の「ダントツ(暖突)」 ※1
- 各社の保温球
※1 2024年3月に「みどり商会」から「レップジャパン」に販売元が変更になりました。
それぞれ3つの保温器具の違いとメリット、デメリットについて整理していきます。
ヒーティングトップの特徴と使用方法
GEX社の「ヒーティングトップ」は、爬虫類用のケージやテラリウムの上部に設置する保温器具です。主に以下のような特徴があります。
置くだけでよいという手軽さと、ケージの外に設置するという安全面を考慮し、保温を行うことができます。ただし、ケージの外に置くということで、高さのあるケージだと温度が届かない場合があるので、注意が必要です。
3種類のサイズが展開されており、ケージサイズに合わせて選ぶことができます。
使用方法

一般的に販売されている爬虫類用ケージの上に置くだけで使用できるというのが、ヒーティングトップの強みです。
保温球やダントツのように設置機器やケージへの穴あけ等が必要ないのも強みです。
特徴
メリット
自然な温度勾配の形成
ヒーティングトップは上部から熱を放射するため、ケージ内に自然な温度勾配を作り出します。これにより、爬虫類は自分の好みの温度帯を選択することができます。
視覚的な影響が少ない
ケージの上部に設置されるため、内部の景観を損なうことなく使用できます。
安全性が高い
直接接触することがないため、生体の火傷するリスクを回避することができます。ヒーティングトップの一番の利点と強みでしょう。
デメリット
初期コストが高い
保温球と比較して、初期投資が必要になる場合があります。
大型ケージでの効果で保温効果が薄い
非常に大きなケージの場合、底部まで十分な熱が届かないことがあります。
暖突(ダントツ)の特徴と使用方法
レップジャパン社の「ダントツ(暖突)」は、遠赤外線を利用した保温器具で、日本で開発された比較的新しいタイプのヒーターです。
壁チョロ系のヤモリやカメレオンなどにも使用できますが、ケージの中に設置すると火傷する恐れがあるため、注意が必要です。
こちらも3種類のサイズが展開されており、ケージサイズに合わせて選ぶことができます。
使用方法

一般的に販売されている爬虫類用ケージの上に置くorケージの蓋に穴をあけて内部に取り付けて使用します。
特徴
メリット
ダントツ(暖突)のメリットは以下の通りです。
効率的な加熱
遠赤外線は物体を直接加熱するため、空気を介さずに爬虫類の体を温めることができます。これにより、均一なケージ内の加熱が可能です。
省エネ性
低消費電力で効果的な加熱が可能なため、電気代の節約につながります。
デメリット
ダントツ(暖突)のデメリットは以下の通りです。
初期コストが高い
保温球と比較して、やや高価な場合があります。
温度調節の難しさ
遠赤外線の特性上、一般的な温度計で正確な温度測定が難しい場合があります。
一部設置の工夫が必要

ダントツは、ケージの上部から吊るす形で設置します。そのため、ダントツの設置には既製品の爬虫類ケージの蓋網に穴をあけたり、吊るすためにプラスチックケージに穴あけが必要になります。
保温球の特徴と使用方法
保温球は、最も一般的で手軽な保温器具の一つです。白熱電球や赤外線電球などが含まれます。
壁チョロ系のヤモリやカメレオンなどにも使用できますが、ケージの中に設置すると火傷する恐れがあるため、注意が必要です。
使用方法

爬虫類用のクリップスタンドを購入し、ケージ内やケージ外に設置します。
設置したクリップスタンドに保温球をつけて使用します。
特徴
メリット
保温球のメリットは以下の通りです。
費用が安い
コストパフォーマンスが高いことが一番の強みです。
W数、形状の選択肢の広さ
W数、形状が複数存在するため、ケージサイズに応じて調整が可能です。
自然な昼夜サイクルを作れる
保温球は光を発するため、昼夜のサイクルを作り出すことができます。
デメリット
保温球のデリットは以下の通りです。
寿命が比較的短い
特に白熱電球は、他の保温器具と比較して寿命が短い傾向があります。
火傷のリスク
表面温度が高くなるため、爬虫類が直接接触すると火傷の危険性があります。
乾燥しやすい
強い熱と光により、ケージ内の湿度が低下しやすくなります。
温度の不均一性
ケージ内の温度分布が不均一になりやすく、適切な温度勾配を作るのが難しい場合があります。
夜間の保温ができない
光を発するため夜間に使用できません。
一部夜間用の保温球がありますので、もし夜間に保温球を使用するなら、専用品を使用しましょう。ただし私の感想としては、夜間用の保温球は突然つかなくなるパターンや1か月~2か月で電球切れを起こしてしまった経験があるため、あまりおすすめできません。それに単純な保温球よりも少し高額です。
各保温方法の比較
各保温方法の初期費用、維持費用、保温性、安全性などについて、比較をしてみました。

いかがでしたでしょうか?
GEX社の「ヒーティングトップ」、レップジャパン社の「ダントツ(暖突)」、各社の保温球についてザックリ比較してみました。
初心者におすすめなのは、置くだけで使用することができる「ヒーティングトップ」になります!
ぜひ検討してみてください!
まとめ
今回は爬虫類初心者が冬に備えて悩む保温方法について記載しました。
私の意見としては初心者は使用が簡単なGEX社から発売されているヒーティングトップがおすすめです。
30×20cm程度のケージならSサイズ、60×45cm程度のケージならMサイズなど、ケージに合わせたサイズが必要となります!
最後まで読んでいただきありがとうございました。