クレステッドゲッコーと呼ばれている爬虫類を知っていますか?
クレステッドゲッコー(以下(クレス)と記載)は、近年人気急上昇中のヤモリの一種です。愛らしい見た目と穏やかな性格で、初心者でも飼育しやすいことから幅広い世代に親しまれています。
クレスを数年飼育した中で得られたクレスの魅力と、初心者の方におすすめの飼育環境について、記載していきます。

この記事は以下のような人におすすめ
・「爬虫類を飼ってみたいけど、それほど難易度が高くない種類がいいと思っている人」
・「ハンドリングしやすい爬虫類を飼育したい人」
・「クレスを飼ってみたいけど、飼育に必要なものがわからない人」
クレステッドゲッコーとは?
クレステッドゲッコーは、ニューカレドニア原産の樹上性ヤモリです。頭部にトサカのような突起(クレスト)を持ち、愛らしい見た目と穏やかな性格で人気があります。
飼育は比較的容易で、初心者にもおすすめです。
餌は専用の粉末フードを与え、温度と湿度を適切に管理すれば元気に飼育できます。※もちろんコオロギでも可です。
様々なモルフ(色柄や形態の変異)があり、自分好みの個体を見つけるのも楽しみの一つです。
ヒョウモントカゲモドキの分布や生態についての特徴は以下の通り
- 分布: ニューカレドニアに生息
- 生態:
- 環境:温帯の森の中に生息する。
- 行動: 夜行性で、薄明薄暮時に活発に活動する。
- 食性: 主に昆虫、植物質(果実の汁等)を主食としてます。人工フードが多数用意されており、昆虫をあげなくとも人工フードのみで飼育できます。人工フードはスイカやマンゴーなど甘めの果実の味付けが多く、個体によって好みも別れるため飼育個体にあった餌を探しましょう。
- 寿命: 約7~10年
- 身体:
- 最大全長: 約10~20cm
- 体重: 45~50g
- 特徴:
- 自切をするが長い尾には戻らない
- まぶたがなく、舌で目をなめてキレイにする
- 指先に趾下薄板(しかはくばん)と呼ばれる無数のヒダを持っており、そのヒダを壁面などの細かなくぼみに引っ掛けて張り付く
- 壁に張り付くため、飼育ケージは縦長のケージが必要
クレステッドゲッコーは一度絶滅した?
19世紀に発見、その後1世紀以上消息不明
クレステッドゲッコーは、1866年にニューカレドニアで初めて発見されました。しかし、その後約1世紀にわたって目撃情報がなく、1994年までは絶滅したと考えられていました。

再発見のきっかけは偶然
1994年、ドイツの爬虫類学者フリードリヒ・ヴィルヘルム・ヘンケル氏率いる調査隊が、ニューカレドニアの無人島で偶然クレステッドゲッコーを発見しました。この発見は、絶滅されたと考えられていた種の再発見ということで、爬虫類学界に大きな衝撃を与えました。
絶滅の原因とその後
クレステッドゲッコーが絶滅したと考えられていた理由は、外来種の侵入による生息地の喪失と、ネズミなどの捕食者による個体数の減少などが考えられています。
再発見されたクレステッドゲッコーは、現在では厳格な保護政策のもとで個体数を増やしており、ペットとしても人気が高まっています。
クレステッドゲッコーの飼育難易度は?
クレステッドゲッコーの飼育難易度は星2です。
「★★☆☆☆」
・飼育温度の幅が広い
・餌に食いつきの良い個体が多く、人工フードでも生涯飼育が可能
・ハンドリングが容易で、ペタペタ、モチモチした感触が楽しめる
・レオパやフトアゴと比較して、表情が読み取りづらく、暑さでバテているなど体調をキャッチするのが難しい
・人工フードは水分が多く含まれており、糞が液体状になることが多い。液状のため糞や匂いの処理が少し大変。ただし糞はそれほど臭くない。
上記の理由から初心者向けの個体ではあるため、飼育難易度は★2とさせていただきました。
壁を這う系のヤモリのため、糞尿や匂いの掃除がレオパや他のヤモリと比べると少し手間なため、★2としております。
クレステッドゲッコーの品種(モルフ)の一例紹介
クレステッドゲッコーには、様々なモルフ(色柄や形態の変異)が存在します。代表的なモルフをいくつかご紹介します。
- ハーレクイン: 白と黒のまだら模様が特徴。
- ダルメシアン: 黒い斑点模様が特徴。
- ピンヘッド: 目が小さいのが特徴。
- ファントム: 体色が薄く、模様が透けて見えるのが特徴。
- ライラック: 淡い紫色をしたモルフ。
上記以外にも、様々なモルフが存在します。飼育ショップやインターネットなどで情報収集し、自分好みのモルフを見つけるのも楽しみの一つです。
おすすめの購入場所
私が初心者の方におすすめする購入場所は、ペットショップです。
爬虫類イベントでは低価格でレアなモルフが購入できることがありますが、初心者向きではありません。
理由は以下の通りです。
- イベントでは排便の関係などから数日餌が抜かれていることがあり、餌食いや排便の状態がわからない
- 展示スペースが限られているため、1匹の生体をゆっくり見ることができない
- 販売している店によっては、輸入直後にイベントに持ってきており、過度なストレスが生体にかかっている可能性がある
個人的には、店で1時間程度1匹の生体を確認して、問題がなさそうであれば購入検討する形にしたほうが私は良いと思います。
購入時に注意してみる点/おすすめのモルフ
購入する際は以下を注視して生体を選ぶことを強く勧めます。
クル病
クル病は、カルシウムとビタミンD3の不足によって起こる metabolic bone disease(代謝性骨疾患)です。カルシウムとビタミンD3は、骨の形成と維持に不可欠な栄養素です。栄養素が不足すると、骨が弱くなり、変形したり、骨折したりすることがあります。
クレステッドゲッコーのクル病には、主に以下の原因が考えられます。
- カルシウム不足: 餌にカルシウムパウダーを添加していない、カルシウム含有量の少ない餌を与えている
- ビタミンD3不足: 紫外線灯を設置していない、紫外線灯の出力不足、紫外線B波をカットするガラスを使用している
- リン過剰: リン含有量の多い餌を与えている
店舗によってはビタミンD3が不足していることがあり、クル病の個体もごくまれにいます。
※私が某有名チェーン店で購入したレオパやリクガメはクル病でした。
クル病の見極めは難しく、イベントなどでは見抜くことはまず無理です。
初心者の場合には、店舗でゆっくり見定めて、クル病になっていない個体を選びましょう!
爬虫類のクル病について、別に記事にまとめる予定です!
おすすめの飼育環境
以下おすすめの飼育環境となります。

飼育用品
- ケージ(横25cm×奥行25cm×高さ45cm) ※幼体期のおすすめサイズ/育ったら少し大きくしましょう!
- 床材
- シートヒータ
- 温度計・湿度計
- 紫外線ライト
- バスキングライト
- 流木
- バスキングストーン
時間帯 | 温度 |
日中 | 22~28℃ |
夜間 | 22~26℃ |
時間帯 | 湿度 |
日中/夜間 | 60~80% |
こちらについてはおすすめのケージや床材を別の記事にまとめる予定です。
おすすめの餌
おすすめの餌は以下です。
- 人工フード(粉末を水に溶かすタイプ)
- 冷凍餌(コオロギ)
クレスを1匹だけ飼育する人は、人工フードがおすすめです。「水に溶かすだけという簡単さ」や「安価に手に入る」ことから初心者でもとっつきやすいです。
クレスは拒食も少ないため、人工フードであればとりあえずなめさせることができれば、口に入れてくれると思います。
冷凍コオロギも食いつきがよいですが、糞の匂いが強くなることや肥満になりやすくなるため、他に爬虫類がいなければ、人工フードが良いと思います。
冷凍コオロギや人工フードのおすすめ紹介、人工フードのみでの飼育が可能か以下の記事に纏めています。
https://exotic-reptile.com/530/まとめ
今回は爬虫類初心者に人気のクレステッドゲッコーについてまとめてみました。
クレステッドゲッコーは、飼育難易度が比較的低く、初心者でも飼いやすいペットです。愛らしい見た目と穏やかな性格で、癒しを与えてくれる存在となるでしょう。飼育を検討している方は、ぜひ生態や飼育方法についてしっかりと理解してから迎え入れてください。
興味があるかたは是非色々調べてみてください!